1922年1月19日 アメリカ合衆国 カリフォルニア州 パンプキン・センター出身 - 1996年2月6日
良い男だ......二枚目とは彼のような男を言うんだろな。
だから悪党を演じさせてもカッコ良い。
そして、若き頃より本場アメリカの西部劇で培った経験がものを言うんだろな。
ガンマンとしての凄味を感じさせる。
『荒野のお尋ね者』で僕はその悪党の姿に惚れた

対する善玉の主人公が、Kookie

Kookie

のリズムに合わせて櫛を取り出すのだから、その分だけ悪玉のカッコ良さが光ったのかも知れません。
おっと、これは“こじつけ”と言うものか.....Edd Byrnesに怒られるか.....。

▲ 若かりし頃の Guy Madison
ガイ・マディソン
Wikipedliaにはカリフォルニア州の短期大学で学んだ後、telephone lineman なる仕事に就いたと記される。電話線の保守担当のようなものか、否かは分かりません。第二次世界大戦時には沿岸警備隊に入隊、そのときの休暇でラジオの公開放送みたいなものに出席し、映画プロデューサーの目に止まったと伝えています。
IMDbサイトでは1944年のアメリカ映画『Since You Went Away』からG.マディソンの足跡を記し始めている。
若草物語をモチーフにしたこの作品は、1952年に『君去りし後』の邦題で僕らの国でも劇場公開がされたようです。かつてはVIDEO媒体としてリリース(レンタル限定?)されましたが、僕は未見です。この作品でのG.マディソンの役どころなどは分かりませんが、その時代の女性陣の注目を集め何千通ものファンレターがスタジオに届けられたとも伝えています。
そして再び兵役に赴きますが、退役後は再び映画業界へ復帰しました。
1946年のアメリカ映画『Till The End Of Time』や『Texas, Brooklyn & Heaven』などの作品で主役/準主役級の役どころを演じ、俳優としての地位を築いていく。

写真左から、
『君去りし後』Poster (Simbad Contro I Sette Saraceni 1944・米)
『時の終りまで』Poster (Till The End Of Time 1946・米)
『Texas, Brooklyn & Heaven』Poster (1948・米)
1950年代、アメリカ西部劇が元気だった時代......G.マディソンも西部劇の作品を選びました。
映画は勿論のこと、西部劇をテーマにした『The Adventures of Wild Bill Hickok』と言うTVシリーズに主演と言う形で出演を続けていきます。このシリーズは1951年から1958年、8シーズンに渡って続いたようですのでアメリカでの人気も高かったことと思われます。ところが日本での放映はなかったようで、作品自体の詳しい中身も分かりません。
ネットで見られるこの作品の画像のG.マディソンはやっぱりカッコ良いですね。

写真左から、
『南部に轟く太鼓』Poster (Drums In The Deep South 1951・米)
『Adventures of Wild Bill Hickok』 (1951-58・米)
『The Hard Man』Poster (1957・米)
ところが、足掛け8年にも及んだTVシリーズが災いしたのでしょうか。
それまで順調だったG.マディソンの俳優生活にも変化が見られるようになったと、IMDbサイトは伝えています。次の文章はその一文になります。
After the Hickok series ended Madison found work scarce in the US and traveled to Europe
そのことが渡欧の理由だったのかは分かりませんが、G.マディソンのマカロニ・ウエスタン映画の出演が始まります。
1964年、『ワイアットアープ』がその第1作目になるようです。
この作品は日本でも劇場公開がされ、彼の勇姿を日本の映画館で観られたマカロニFANも多かったことと思われます。リアルタイム世代でない僕は羨ましくも思えます。
1967年には冒頭でも触れた『荒野のお尋ね者』に出演ですね。

▲ 『荒野のお尋ね者』から
活動の分野はマカロニ・ウエスタン映画だけではなく、その他のジャンルの作品にも出演されています。
しかし、それら作品の多くは日本では劇場公開がされませんでした。その意味では、G.マディソンは僕らの国では50年代の俳優と言うイメージで捉えられているのかも知れませんね。
1970年後半になるんでしょうか、G.マディソンは母国アメリカに戻ります。
以後は単発的にTV作品にその名を記すのみとなりますが、これは病を患ったことが影響されているのかも知れません。マカロニ・ウエスタン映画で素敵なガンマンを演じてきたG.マディソンですが、その晩年に多少の寂しさを覚えるのは僕だけでしょうか。もっと彼の活躍される姿を観たかったと思います。
IMDbサイトでは1988年までに66本の作品にその名を刻んでおります。
ここでマカロニ・ウエスタン映画以外の出演作品を......と言っても、僕の手元に映像媒体があるのは次の作品だけなんですよね。

『地獄のノルマンディ』国内盤DVD (Testa Di Sbarco Per Otto Implacabili 1968・伊/仏)
この作品凄いですよ...... 出演陣がガイ・マディソンに、ピーター・リー・ローレンス、そしてエリカ・ブランです。それだけでも笑顔がこぼれるのに、他にもマカロニ・ウエスタン映画で見られる俳優さんが出てます。しかし、画質が悪すぎですね。大型モニターでは厳しく、こんな原版しか残されていないのでしょうか。
作品自体は僕らの国では劇場未公開の作品で、後にTV放映があったと伝え聞きます。

▲ 『地獄のノルマンディ』 タイトルバックは英題
連合軍のノルマンディ上陸前夜、アメリカ軍第29部隊は、オマハビーチへ上陸しようとしていた。最大の難関は、海岸の至る所に設置されたドイツの秘密兵器だ。特命を帯びたコマンドー、マーフィ隊長率いるパラシュート部隊が任務遂行に向かうが.....。
ガイ・マディソンはアメリカ軍のパラシュート部隊の隊長を演じ、その配下にP.L.ローレンスが控えます。
次は怒涛のマカロニ・コンバット(3枚しかありませんが)......進軍ラッパに合わせて円盤が飛び回る。

写真左から、
『激突!タイガー重戦車/最後の砲火』CD (La Battaglia Dell'ultimo Panzer 1969・西/伊)
『Un Posto All'inferno』CD (1969・伊)
『特攻ファイター!MT要塞』CD (I Diavoli Della Guerra 1969・西/伊)
奇しくも3本とも、1969年制作の戦争物になってしまった。
と言うか、G.マディソン絡みの音盤(=CD)はマカロニ・ウエスタン映画以外ではこれしか持ってなかったりして.......。手持ちの音盤をきちんと確認/整理すると新たな発見があるやも知れませんが。
3作品とも自慢じゃありませんが未見です。
上から順番にコンポーザーは■アンジェロ・フランチェスコ・ラヴァニーノ、■ロベルト・プレガディオ、■ステルヴィオ・チプリアーニとなっております。御三方ともマカロニ・ウエスタン映画のスコアでは随分とお世話になっておりますが、この3枚は僕の好みの音とはちょっと違いました。
3作品とも、本邦未公開でしてビデオ媒体のリリース、TV放映があった関係で邦題が付いとります。
■ ガイ・マディソン in Macaroni Westerns ■
G.マディソンのマカロニ・ウエスタン映画への出演を並べてみましたが、意外と少ないなと印象がしました。
自分の中ではもう2,3本あっても良さそうな感じですね。
この中で日本での劇場公開作品が3本になりますか......『ワイアットアープ』、『五匹の用心棒』、そして『荒野のお尋ね者』ですね。あと『ガンマン牧師』はTV放映をされた作品になります。その劇場公開作品の2本を僕は未見なんです。『五匹の用心棒』は観たい作品の1本でして、我が家のトイレに飾られる日本版ポスターがこの『五匹の用心棒』になります。
アメリカの西部劇で鍛えた実力派ですから、多くの作品では主役/準主役級の役どころを得ております。
強烈なヒール役を演じた『荒野のお尋ね者』だって、そんじょそこらの悪とは違って“箔”がありました。その姿を善役でも魅せるはずが、『ガンマン牧師』が中途半端な仕上がりになってしまったのは残念です。何ら意味のなさなかった牧師の設定のせいで、彼のガンプレイの見せ場が限られてしまった。
そうなると彼の代表作は何になるんだろうか......悪を演じた『荒野のお尋ね者』か、それとも未だ観ぬ『五匹の用心棒』になるのか。少なくとも『Bang Bang Kid』ではないですね......面白い作品だけどね。
Desafio En Rio Bravo ワイアット・アープ 1965
Das Vermachtnis Des Inka - 1965
I Cinque Della Vendetta 五匹の用心棒 1966
Il Fglio Di Django ジャンゴの息子 1967
I Lunghi Giorni Dell'odio 憎しみの長き日々 1967
Sette Winchester Per Un Massacro 荒野のお尋ね者 1967
Bang Bang Kid - 1967
Reverendo Colt ガンマン牧師 1971

▲ Il Fglio Di Django
■ 友人の遺児で若き主人公ガンマン(G.ティンティ)を補佐する牧師......but 凄腕のガンマン。

▲ I Lunghi Giorni Dell'odio
■ 両親の復讐のために悪党一味に立ち向かう主人公。

▲ Sette Winchester Per Un Massacro
■ あまりにもカッコ良すぎる悪党の親玉......主人公(E.バーンズ)を連れて隠された財宝を捜す。

▲ Reverendo Colt
■ 町を襲った盗賊一味の追撃を頼まれた牧師......かつては凄腕のガンマンだったと言う設定。
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