生年、生誕国不明。
フェリーチェ・ディ・ステファーノ(Felice Di Stefano)と言う作曲家がいる。
マカロニFANには『嵐を呼ぶプロファイター』のスコアを書いたコンポーザーで知られる。他に日本での劇場公開作品で言うならば『荒野の復讐鬼』あたりになろうか。残念ながらともに音源のCD化はされていない。
中間部で高らかに奏でられるトランペットの音が特徴的とも言えようか。
マカロニ・ウエスタン音楽=トランペット
少年時代の僕の捉え方でもあった。
それだけにその音色が大好きで一時期はトランペットの音に夢中になったこともある。仕舞いにはニ二・ロッソの「夜空のトランペット」のレコードまで手に入れた。
F.D.ステファーノがスコアを書いた作品は他に何があるんだろう。
先の2作品の他にも、劇場未公開ながらもTV放映のされた『この墓を血で洗え!』や『待つなジャンゴ引き金を引け』がある。他にもマカロニ西部劇でスコアを書いているではないか。少年時代や中高時代に集めたオムニバス盤のLPレコードには収録されることのなかったコンポーザーだけに、意外と多くの作品でスコアを書いていたことにマカロニ・コンポーザーの“奥の深さ”を知らされた。
僕が勝手に“ステファーノ三部作”と呼ぶ未公開作品がある。

写真左から(ネット上から)、
『チャマンゴ』Poster (Cjamango 1967・伊)
『神は許すかもしれない、しかし俺は許したくない』Poster (Chiedi Perdono A Dio...Non A Me 1968・伊)
『クィンタナ』Poster (Quintana 1969・伊)
YouTubeから音を拾う一方で海外版のDVDも購入してみたくなる。
その思いからドイツAmazonで買ったDVDが『クィンタナ』と言う作品でした。
ところが今度はその作品の主人公を演じた俳優に悩まされ続けてきた。
正体不明である。
今まで聞いたこともない名前であり、ネットで検索してもHITしない。
何よりもその英語圏の人を思わせるような名前が良くない。ジョージ・スチーブンソンと言う名前で検索しても全く関係のない人物ばかりが表示され、お目当てのマカロニ西部劇の“クィンタナさん”には辿り着けない。
一つの作品で主演を演じる俳優なのでそれなりの実績がある筈です。

▲ 『Quintana』より
IMDbサイトでもGeorge Stevensonの名とともに、『Quintana』を含め2,3の作品が記されるだけだ。
やっぱり無理か~。
ところが昨年(2012年)、IMDbサイトの彼の頁を久し振りに見るとその頁が改められていました。
まず名前が Tony Di Mitri の表記となり。出演作品も26本並べられている。おそらく(恐らく)は何か新しい事実/情報があり、その頁を書き換えたものと思われます。
それと出演作品を見るとイタリア出身の俳優さんにも思われる。
1953年、フランス/イタリアの合作映画『Le Marchand De Venise』と言う作品から足跡を刻んでいる。この作品はタイトルからも分かるようにシェイクスピアの「ヴェニスの商人」の映画化なんでしょう。
その翌年には日本でも劇場公開のされたイタリア映画『夏の嵐(Senso)』に出演。僕は未見ですが、ジャンル的には戦争/ロマンスとあります。

写真左から(ネット上から)、
『Le Marchand De Venise』Poster (1953・仏/伊)
『夏の嵐』Poster (Senso 1954・伊)
『敵中降下作戦』Poster (Rose Rosse Per Il Führer 1968・伊)
1968年の『敵中降下作戦』も日本では劇場公開のされた作品ですのでご覧になられた映画FANも多いでしょう。残念ながら僕は観たことがありません。
こうして見ると(3本しか取り上げてませんが)、結構メジャー的な作品への出演があるんですね。ただし、その役名がなかったり、uncredited 扱いだったりのようです。
1970年代に入るとTV作品への出演が数本残され、しばらく間隔が空いて1988年の作品を最後にIMDbサイトでは足跡を記しておりません。
作品名だけでとりたてて(取り立てて)新しいことは分かっていない。
と、言われるかもしれませんが、以前は何もなかったと言えるほどでした。その意味では彼の出演作品が分かっただけでも大きな前進ではないでしょうか。
IMDbサイトは世界的には最強の映画のオンライン・データベースと謳われております。ご本人や家族、知人や関係者からの情報提供って限られているのかな。毎度そんなことを思ったり、考えたりしながら、このサイトにはお世話になっております。
ジョージ・スチーブンソンこと、トニー・ディ・ミトリのマカロニ・ウエスタン映画を下に掲げました。
この時点ではあくまでも『クインタナ』1本でその姿を知るのみです。
それ以外の5作品は参考までにと言う意味でリストアップしてみました。5作品の中で2つは未見ですが、それ以外の3作品はDVDの映像媒体を持っているので時間を作って確認してみたいと思います。
それにしても『続・夕陽のガンマン』とは驚きでした!
IMDbサイトでは役柄を“Deputy”と記しますので保安官助手になるのかな。映画序盤で保安官役のジョン・バーサと一緒に現れる助手がそうなのか。うーん、なんとなく“Quintana”に似てるような、似てないような...。

▲ 『Quintana』より
『クィンタナ』は“Zorro”シリーズに影響を受けた作品とも言えましょうか。
(ポンチョは当然、クリント・イーストウッドの影響?)
頭巾で顔半分を覆った主人公が正義の戦いに出ます。Zorroとの違いは、主人公の手にする武器は剣ではなく銃と言うことになるのかな。その分だけより西部劇の雰囲気は感じられます。
因みに“Quintana”はスペイン風に呼ぶと“キンタナ”が正しいのかな?
■ ジョージ・スチーブンソン in Macaroni Westerns ■
Quintana クィンタナ 1969
■ Tony Di Mitri in Macaroni Westerns ■
Due Rrringos Nel Texas テキサスから来た2人のリンゴ 1967
Il Buono, Il Brutto, Il Cattivo 続・夕陽のガンマン 1966
Sei Bounty Killers Per Una Strage - 1973
Una Colt In Mano Al Diavolo 悪魔の手の中のコルト 1972
Il Giustiziere Di Dio - 1973

▲ Quintana
■ 圧政を敷き、その力で女を我が物にしようとする悪党を退治する主人公。
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