男優 96 Giacomo Russi Stuart 

 1925年08月25日 イタリア/ウンブリア州トーディ - 1994年10月20日

 マカロニ・ウエスタン映画の第1号と言われる作品がある。
 何を以って第1号と言うかはそれぞれの捉え方になるでしょうし、それを論じるのは拙ブログの目的でもありませんし、僕は素直に世間様に従う男です。

 『赤い砂の決闘』

 のちに第1号と宣伝/喧伝された作品ですが、僕がこの作品を観たのは今から10年程前です。

 この作品の保安官が若くてカッコ良かった。
 しかも頼りがいもある。
 ジャコモ・ロッシ=スチュアート(Giacomo Russi Stuart)と言う俳優だ。
 久しぶりに僕の心をスカッとさせる保安官に出会った。
 
 ところがである。
 物語が進むうちに次第に雲行きが怪しくなってきた.....もしかして『荒野の1ドル銀貨』の保安官と同じか。少年時代の僕に“容易に人を信じてはいけん”と言うことを教えてくれた“あの”保安官である。
 
 さすがに四十路に達す年だけに、“酸いも甘い”知り尽くした大人.....心の準備だけは出来ていた。
 この作品の保安官の「悪」には冷静に対処することが出来た (`▽´)

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 ▲ 『赤い砂の決闘』より

 マカロニ・ウエスタン映画第1号で悪玉の主役と言う大役を掴んだG.R.スチュワート。その後も何本かのマカロニ西部劇で活躍されていますが、どう言うワケかマカロニ・ウエスタンFANの間では話題に上ることも少ないのではないだろうか。
 
 ところがどっこい!
 IMDbサイトでの出演作品数(1989年までに90本)からも分かるようにイタリアを代表する俳優なのだ。
 ちなみに運動神経が抜群で役者になる前は五種競技の選手だったような記述がWikipediaにあります。
 ↓
 Dotato di un fisico atletico, pratica sin da giovane varie discipline sportive tra l'altro la boxe, l'equitazione e la scherma, divenendo uno dei migliori campioni del pentathlon.

 1953年のイタリア/フランス映画『Jeunes Mariés』が映画俳優としての第一歩になるんでしょうか。
 その後も様々なジャンルの映画に出演され、先のマカロニ西部劇『赤い砂の決闘』への出演は充分な役者としての経験を積んだうえでの大役だったことが分かります。その中には名作/傑作映画や邦題の伴う作品もあるなど当時の日本の映画FANにも名の通った俳優さんだったのかも知れません。

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 写真左から、
 『武器よさらば』Poster (A Farewell To Arms 1957・米)
 『カルティキ/悪魔の人喰い生物』Poster (Caltiki-Il Mostro Immortale 1959・伊/米)
 『ソドムとゴモラ』Poster (Sodom And Gomorrah 1962・米/伊/仏)

 上記の3作品のうち、『カルティキ/悪魔の人喰い生物』は日本での劇場公開がされていません。ただこの映画は日本にてDVDの映像媒体がリリースされているので、ご覧になられた方も多いことでしょう。残りの2作品は有名な作品ですね。特に『武器よさらば』はヘミングウェイの原作が古典的名作ですし、学校の授業でも取り上げられましたね(ん?僕の学校だけ?)。その割には映画の内容はほとんど覚えていないと言う情けない僕です。映像媒体としてのが手元にあるのは上記の中ではホラー物の『カルティキ/悪魔の人喰い生物』だけです。

 そして1963年には冒頭でも紹介をした『赤い砂の決闘』への出演となります。
 この作品はマカロニ・ウエスタンの名作であり、イタリア産西部劇の魅力を世界に知らしめた『荒野の用心棒』より以前に、日本での劇場公開がされた作品でした(ですよね?)。だから日本ではマカロニ・ウエスタン第1号と言う呼ばれ方をしているんでしょう。
 G.R.スチュアートは堂々たる保安官&悪党を演じてくれました。
 
 この後もマカロニ・ウエスタン作品への出演が続きますが、やはり最初の3,4本で魅せる凛々しくもカッコ良いガンマンぶりは捨て難い物があります。
 と、言いながらも『荒野のみな殺し』は国内盤EPを持つのみ(泣).....海外でもDVD映像媒体はなし?

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 写真左から、
 『赤い砂の決闘』CD (Duello Nel Texas 1963・西/伊)
 『グランド・キャニオンの大虐殺』CD (Massacro Al Grande Canyon 1964・伊)
 『荒野のみな殺し』国内盤EP (Degueyo 1966・伊)

 1975年には『アラン・ドロンのゾロ』へ出演し名優アラン・ドロンとの共演も果たしている。

 マカロニ・ウエスタン映画の枠に留まらないG.R.スチュアートの銀幕での活躍。
 その代表作と言えば、1966年のイタリア映画『呪いの館(Operazione Paura)』になるんでしょうか。内容は邦題からも分かるようにホラー/ミステリーのようです。日本でもDVDの映像媒体がリリースされていますが、僕は持っておりませぬ。

 では.....他にどんな作品があったのか。
 押し入れの中から段ボール箱を引っ張り出して探します。

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 写真左から、
 『地球最後の男』DVD (The Last Man On Earth 1964・伊/米)
 『ファイヤーバード/地獄への招待券』Video (Ragan 1968・伊/西)
 『ザ・ビッグ・バトル』Video (Il Grande Attacco 1978・伊/独/ユ)

 『地球最後の男』は“謎の細菌の流行により人類の殆どが死滅、またはゾンビ化してしまった近未来。自分が最後の人類なのかと自問自答を繰り返す彼の前に一人の女性が現れる。果たして彼女は人類の生き残りなのか”.....Oriconより。クラシック・ホラー映画の第一人者ヴィンセント・プライス主演のSFホラー/サスペンス物です。 物語も中盤に差し掛かる頃か、主人公(V.ブライス)が自宅で見る映写フィルム、そして回想シーンに登場するのがG.R.スチュアートです(主人公と同じ研究所の同僚?)。そしてG.R.スチュアートも細菌に犯され亡くなり、吸血鬼として蘇ります。映画冒頭から主人公の家の前で暴れていたのがG.R.スチュアート扮する怪物(吸血鬼)だったんですね。
 タイ・ハーディン主演の『ファイヤーバード/地獄への招待券』は元諜報部員の主人公が某国に拉致された大統領を救出する任務を受け持つアクション物。G.R.スチュアートはその作戦の相棒としての役どころだ。ストーリーは中盤過ぎまでダラ~っとした展開で、大きな見せ場を作り出すことなく終わったと言う印象でしかありません。
 『ザ・ビッグ・バトル』は“第二次大戦を舞台に複数の登場人物を並列的に描いた、いわばイタリア版「遠すぎた橋」。もっともキャスト、演出共に比較にはならないが。それでも戦闘シーンも随所に折込んで肩の凝らない娯楽作には仕上がっている”.....allcinemaより。マカロニ・ウエスタン映画でお馴染みの俳優さんも何名か出演されているので僕的には楽しめた映画です。G.R.スチュアートはアメリカ軍の兵士役。物語も中盤に差し掛かる頃だろうか、落下傘で降下しまして戦場に到着。ドイツ軍の列車爆破の任に当たりますが、その隊のリーダーみたいな役どころでした。

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 ▲ 『ファイヤーバード/地獄への招待券』より

 G.R.スチュアートは主人公と行動を共にする元同僚の役どころ。彼の奥方は今でもその主人公を愛しているようで、腹いせのためにG.R.スチュアート扮する人物と結婚したようです。そのため主人公にあまり良い感情を抱いていないようにも見えます。作戦行動の相棒とは言え、美味しいところは全て主人公に持っていかれ、果たしてこの任務に相棒が必要とされていたのか考えてしまった。

 今度は音盤からG.R.スチュアートの出演作品を見ましょう。

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 写真左から、
 『要塞』CD (Hornets' Nest 1970・伊/米)
 『悪魔の性・全裸美女惨殺の謎』CD (Sette Scialli Di Seta Gialla 1972・伊)
 『Emanuelle Nera: Orient Reportage』CD (1976・伊)

 巨匠エンニオ・モリコーネのスコア『要塞』はロック・ハドソン主演による戦争映画。
 マヌエル・デ・シーカ(Manuel De Sica)がスコアを書いた『悪魔の性・全裸美女惨殺の謎』はアンソニー・ステファン主演のジャッロ物で、この円盤は他作品とのカップリングとなる。
 ニコ・フィデンコのスコア『Emanuelle Nera: Orient Reportage』は“黒いエマニュエル・シリーズ”の中の1作品。相変わらず軽快なタッチのメロディが気持ち良い。

 ジャコモ・ロッシ=スチュアートのマカロニ・ウエスタン映画を下に掲げてみました。
 代表作はやはり何度も登場するが『赤い砂の決闘』になるのか。
 面白いことにこの作品では悪玉の保安官を演じたが、次の『グランド・キャニオンの大虐殺』では善玉の保安官を演じている。当然、男前のカッコ良い保安官だ。
 『サクラメントに出会ったならば祈りを唱えろ』で再び悪玉を演じる。この作品ではそれまでのスマートな雰囲気とは違い、悪玉を意識してか無精髭を伴って登場.....もともとが色男だから何をさせても似合う。
 G.R.スチュアートの主演作『殺せジャンゴ.....早く殺せ』はタイトル・バッグがそのままカットされ、そのショックを引きづったままの鑑賞です(6月19日にイタリアでDVDが出るとか)。
 ワンシーンで登場するのが『五人の軍隊』と『新・さすらいの用心棒』ですね。

 G.R.スチュアートの色男ぶりは、同じく俳優の道の進んだ息子のKim Rossi Stuartにも受け継がれている。父親譲りの二枚目顔は今風に言うならイケメン.....結構な活躍をされているようです。
 日本での(マカロニ西部劇の)劇場公開作品がもう2,3作品あれば、今以上にマカロニFANには人気が上がった役者さんだと思いますよ。それこそジュリアーノ・ジェンマ並みに....。その証拠に本国では先にも言いましたが、映画の内容を問うことなくたくさんの作品に出演されていますからね。
 

 ■ ジャコモ・ロッシ=スチュアート  in Macaroni Westerns ■

 Duello Nel Texas 赤い砂の決闘 1963
 I Magnifici Brutos Del West 西部の勇敢な弾丸 1964
 Massacro Al Grande Canyon グランド・キャニオンの大虐殺 1964
 Degueyo 荒野のみな殺し 1966
 Un Esercito Di Cinque Uomini 五人の軍隊 1969
 Sei Jellato Amico, Hai Incontrato Sacramento サクラメントに出会ったならば祈りを唱えろ 1970
 Uccidi Django...Uccidi Per Primo!!! 殺せジャンゴ.....早く殺せ 1971
 Amico, Stammi Lontano Almeno Un Palmo 新・さすらいの用心棒 1972
 Il Mio Nome E Shangai Joe 荒野のドラゴン 1972


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 ▲ Duello Nel Texas
  ■ 力強く頼れる町の保安官.....実は悪玉の主役。主人公(R.ハリスン)との戦いで斃される。

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 ▲ Massacro Al Grande Canyon
  ■ 保安官.....主人公(J.ミッチャム)と協力し合うも悪党との銃撃戦で犠牲になる。

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 ▲ Un Esercito Di Cinque Uomini
  ■ 5人の男たちが連行されたメキシコ軍の事務所に登場。
 
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 ▲ Sei Jellato Amico, Hai Incontrato Sacramento
  ■ 主人公(T.ハーディン)との因縁からか執拗にその命を狙う悪玉の主役。

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 ▲ Uccidi Django...Uccidi Per Primo!!! (A left man)
  ■ 悪玉の銀行家(A.サンブレル)から町を守る主人公。

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 ▲ Amico, Stammi Lontano Almeno Un Palmo
  ■ 主人公コンビ(G.ジェンマ,G.イーストマン) の行方を探る探偵.....なのかな。

 ※『Uccidi Django...Uccidi Per Primo!!!』のDVD映像はtitle background がcutされている。とてもとても残念なことです。アップ画像は自分で原題を入れただけの創作もんです。
 
 
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