男優 93 George Wang 

 1918年11月12日 中国出身 -

 日本のマカロニFANには『さすらいの一匹狼』で知られる俳優さんでしょうか。
 盗賊の悪玉の親分(G.マーティン)の忠実な配下として全編でその姿を現し、舞台となった西部の町中で動き回っていましたね。最後は悪党らしく命を落としますが、結構記憶に残る風貌とも言えますか。

 それから数十年、海外版DVDに手を出すようになってから出会った作品がある。
 『良い葬式を.....サルタナが支払う』

 ジョージ・ワン演じる賭博場のオーナーがサルタナに騙され、金の取り尽くした鉱山を買わされた。何の使い道もない、言わば“ただの洞穴”と変わりない鉱山とも言えようか。
 G.ワンは怒った。
 そしてサルタナに襲い掛かる。
 ところが、ところが、G.ワンは強かった.....喧嘩(?)の達人だった。サルタナの顔がみるみると青ざめていくのが分かる。それまでは椅子に座ったままその図体(ずうたい)を動かそうとしなかった男がである。
 そうは言ってもサルタナは主人公だ.....負けてはいけない。天井から落ちてきた行燈がG.ワンの頭に当たる。その隙を突いたサルタナが勝ちを収めて一件落着だ。
 諦めたのか、G.ワンの下品な笑い声が響く。

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 ▲ 『良い葬式を.....サルタナが支払う』から

 この作品が僕にとってG.ワンと言う俳優を強く印象付けることとなった。

 本名は Wang Yie で良いんでしょうか。
 父親も映画関係者のようですが、IMDbサイトでは“Miscellaneous Crew”として1作品のみの足跡しか記されていない。G.ワンの俳優に至る経緯等々は分かりませんが、或いはその父親の縁で映画の世界に足を踏み入れることになったのかも知れません。

 1960年、イタリア/フランス映画『Apocalisse Sul Fiume Giallo』と言う作品からその名を記す。
 この作品の詳しい内容は分かりませんが、本名やその風貌からも分かるようにアジア系の人です。出演作品によっては役名から推し量って日本人の役を演じることもあったようですね。
 下の画像の作品では“Tanaka”、“Principe Hiro Toyo”と言う役名でした。

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 写真左から(ネット上から)、
 『全滅作戦008』Poster (A 008, Operazione Sterminio 1965・伊/埃)
 『Mi Vedrai Tornare』Poster (1966・伊)

 マカロニ・ウエスタン映画は1966年の『シスコ』が最初でしょうか。
 この作品は日本では未公開作品ですが、主人公ガンマン(W.バーガー)に協力するも最後は悪の本性を表すと言う役どころでストーリーの中核を担っていた。
 同じ年の『さすらいの一匹狼』は日本でも劇場公開がされ、TVの洋画劇場での放映もあったことから、この作品でG.ワンを知ったと言う映画FANもいることでしょう。その意味では彼の代表作と言えなくもありません。

 以後、1973年までの間に12本程のマカロニ・ウエスタン映画に出演されていく。
 ただ残念なことに日本での劇場公開作品が『さすらいの一匹狼』と『荒野のドラゴン』の2作品しかない。また銃を手にするガンマン.....孤高の西部の男ではないので、同時代に活躍したマカロニ拳銃野郎どもに比較すると人気と言う点では分が悪いか。

 IMDbサイトでは47の映画/TV作品に彼の名を記している。
 マカロニ・ウエスタン以外にどんな作品があるのか.....ここで段ボール箱を探ります。

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 写真左から、
 『北京の55日』DVD (55 Days At Peking 1963・米)
 『華麗なる殺人』DVD (La Decima Vittima 1965・伊/仏)
 『G.ジェンマのくたばれカポネ』Video (Anche Gli Angeli Mangiano Fagioli 1973・伊/仏/西)
 
 『北京の55日』は名優チャールトン・ヘストン主演による155分に及ぶ大作映画。“1900年中国、外国勢力の排斥を叫んで義和団が外国人の居留区に攻め込んだ。アメリカ海兵隊のルイス少佐に率いられた外国人はわずか500人の兵力でこれに当たるが.....。55日間にわたる籠城戦を描いた歴史ドラマ”です(allcinemaより)。G.ワンは“Boxer Chief(秘密結社のリーダー)”の役どころですが、その姿が全然分かりません。
 『華麗なる殺人』は倒錯DVD箱物に収録されていた一枚。21世紀を舞台に闘争本能を満足させるべく為の殺人ゲームを合法化した近未来を描いたというサスペンスコメディ。残酷描写が殆どなく妙に小洒落た作りになってるのが特徴の異色近未来SFの佳作(Wikipediaより)。G.ワンは映画冒頭で登場するハンター役と思われます。殺人ゲームの紹介をするシーンでして、お色気作戦によって殺人ゲームの敗者(=死)となりました。
 『G.ジェンマのくたばれカポネ』はジュリアーノ・ジェンマ、バッド・スペンサー主演のコメディ物。ギャングを夢見る若者が、その夢に嫌気がさしていく姿をユーモアを添えて描くギャング映画だ(goo映画より)。G.ワンは主人公(G.ジェンマ)が雑用仕事をする道場の師範として映画の序盤に登場するが、金蹴りを喰らってお役御免です(日本人と言う設定のようだ)。

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 ▲ 『G.ジェンマのくたばれカポネ』より

 タイトルが英題ですので日本版ソフトのベースはアメリカなんでしょう。G.ワンは“Naka Kata”と言う名の道場の師範ですが、何の道場なんだ?柔道と言う台詞が発せられるから柔道なのかな。この師範は強いのか、弱いのかは分かりません。それでも何人かの弟子がいるんだから、やっぱり“師範”として崇められているの?

 次は音盤でG.ワンの出演作品を見てみます。
 因みに3作品とも未見です(映像媒体は日本でリリースされてないのかな)。

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 写真左から、
 『Berlino - Appuntamento Per Le Spie』CD (1965・伊)
 『国際泥棒組織』CD (Troppo Per Vivere...Poco Per Morire 1967・伊/仏)
 『俺たちはギャングじゃない』CD (Schiaffoni E karate 1973・伊)

 CDのカヴァーを見るだけでもカッコ良さそうな『Berlino - Appuntamento Per Le Spie』はマカロニ・スパイ物の1本でしょうか。主演はマカロニFANにはお馴染みのブレット・ハルゼーです。スコアはリズ・オルトラーが書いておりますが、この3枚の中では一番好きかな。
 フランチェスコ・デ・マージがスコアを書いた『国際泥棒組織』は円盤の音がクリアではありません。だからでしょうか、この円盤が飛び交う機会はあまりありません。ミステリー/スリラー系の作品のようですが、なんとなく観てみたい作品の1本ではあります。
 メイン・テーマ曲の楽しい曲調が印象的な『俺たちはギャングじゃない』はカルロ・サヴィーナ先生のスコアですね。この円盤も実は結構お気に入りで聴く機会が多いです。病院に入院中のときはマカロニ・ウエスタン音楽よりもこうした明るい作品のサントラ盤を聴いておりました。
 
 ジョージ・ワンのマカロニ・ウエスタン映画を下に並べてみました。
 12本中、未見が4本もあります(涙)
 悪党、金の亡者、腹黒い実力者などなど良い役がありません。しかしながら、映画の世界には必要な役どころですので、そうした役をこなす俳優さんは尊敬に値します。僕の母の口癖が「悪役に悪い人はいない」を思い出します。
 サルタナ・シリーズが大好きな僕は『良い葬式を.....サルタナが支払う』のG.ワンが一番印象に残る。
 この作品では全編通して椅子に座り放しでしたね。それだけに冒頭でも触れましたが、最後のサルタナとの戦いでの強さに驚きました。
 次いで『シスコ』や定番の『さすらいの一匹狼』でのG.ワンが冴える。彼には悪いが、こうした品格に欠ける盗賊の姿が妙にお似合いではないだろうか。『復讐無頼 狼たちの荒野』や『悪魔の手の中のコルト』のような信頼のおけない商人/実力者と言う役どころも悪くはないが、断然品位の欠片もない盗賊の方に僕は惹きつけられる。決して悪い意味では言ってるのではありません。
 アメリカでリリースされた24作品収録のBlu-rayの中の一本、『『殺せジャンゴ.....早く殺せ』はまだ物語の把握が出来ていません。一枚の盤に24作品ですから、画質は良くないですね。

 現在は台湾にお住いのようであります。
 IMDbサイトでは1985年に1本の映画に名を記しますが、その後は第一線から退いたように思われました。しかし、2010年に台湾/香港制作の作品に久しぶりにその名を伝えている。
 まだまだ元気でお過ごしになられてることと思います。 
  

 ■ ジョージ・ワン in Macaroni Westerns ■

 El Cisco シスコ 1966
 Per il Gusto Di Uccidere さすらいの一匹狼 1966
 Una Colt, In Pugno Al Diavolo コルトを持ったげんこつ野朗 1967
 Tepepa 復讐無頼 狼たちの荒野 1968
 Buon Funerale, Amigos !...Paga Sartana 良い葬式を.....サルタナが支払う 1970
 Uccidi Django...Uccidi Per Primo!!! 殺せジャンゴ.....早く殺せ 1972
 Una Colt In Mano Del Diavolo 悪魔の手の中のコルト 1972
 La Lunga Cavalcata Della Vendetta 復讐の長き隊列 1972
 Il Mio Nome E Shangai Joe 荒野のドラゴン 1972
 Due Fratelli In Un Posto Chiamato Trinita トリニティの兄弟 1972
 Sei Bounty Killers Per Una Strage - 1973
 Il Giustiziere Di Dio - 1973


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 ▲ El Cisco
  ■ 主人公(W.バーガー)と旧知の盗賊.....最後はその主人公を裏切り、戦いに敗れ命を落とす。

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 ▲ Per il Gusto Di Uccidere
  ■ 盗賊の親玉(G.マーティン)の子分頭

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 ▲ Tepepa
  ■ 金に汚い武器商人

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 ▲ Buon Funerale, Amigos !...Paga Sartana
  ■ 賭博場のオーナー。サルタナ(G.ガルコ)に偽の金鉱を買わされる.....拳法の達人。結構強い。

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 ▲ Una Colt In Mano Del Diavolo
  ■ 町の実力者(?)。中盤過ぎに裁判のシーンに登場し、偽りの証言をする。

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 ▲ Il Mio Nome E Shangai Joe
  ■ 主人公(C.リー)がかつて学んだ師匠。回想シーンに登場。


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